大阪市阿倍野区の心療内科・精神科・児童精神科
あべのこころの診療所
〒545-0052 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋5丁目2-9 ラグランデル1階
谷町線阿倍野駅5番出口徒歩4分、大阪シティバス阿倍野筋5丁目徒歩2分
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強迫性障害は、ある考え(家族の誰かが死ぬのではないか、自分の手が汚れているのではないかなど)が自分の意思に反して何度も頭に浮かび、払いのけることができなくなる強迫観念と、ある行為(手を何度も洗う、ガス栓や鍵を何度も確認するなど)をしないと気がすまなくなる強迫行為があらわれ、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ確認をくりかえしてしまうことで、日常生活に支障をきたす病気です。強迫性障害は初期の段階で適切な治療を受けることが大切です。
強迫性障害は、WHO(世界保健機関)によって「経済損失および生活の質の低下に影響する10大疾患」の1つとされたほど、苦痛や支障の大きなものですが、なかなか治療に踏み出せず苦しんでいる人が多いです。欧米では、全人口のうち強迫性障害にかかっている人は1~2%、50~100人に一人の割合といわれており、日本でも同じくらいの割合になるとも考えられています。
発症には、性格、生育歴、ストレスや感染症など、多様な要因が関係していると考えられていますが、なぜ強迫性障害になるのか、原因ははっきりとはわかっていません。
しかし、なぜ症状が続くのか、なにが影響して症状が悪化するか、などは解明が進んでいる部分もあり、積極的に治療に取り組めば治すことも可能な病気となっています。
強迫性障害は、誰もが生活のなかで普通にすること(戸締まりの確認や手洗いなど)の延長線上にあります。「自分は少し神経質なだけ」なのか「もしかしたらちょっと行き過ぎか」という判断は難しいところですが、放置してしまうと重症化していく傾向があり、うつ状態などを合併してしまうこともあり、治療も大変になります。確認行為に家族も巻き込んでしまうことなども少なくありません。生活の大部分が左右されて行動範囲が狭まり、自宅から一歩も出られなくなってしまうケースもあります。
強迫性障害は、かつては不安障害の一種と考えられていました。しかしながら現在では、「とらわれ」と「くり返し行動」を特徴とした病気で、不安障害とは異質の病気と考えられています。
強迫性障害には、強迫観念と強迫行為の2つの症状があり、その両方があらわれる場合が多いです。代表的な強迫観念と強迫行為として以下があります。
・不潔恐怖と洗浄
汚れや細菌汚染の恐怖から過剰に手洗い、入浴、洗濯をくりかえすドアノブや手すりなど不潔だと感じるものを恐れて、さわれない。
・確認行為
戸締まり、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に確認する(何度も確認する、じっと見張る、指差し確認する、手でさわって確認するなど)。
・儀式行為
自分の決めた手順でものごとを行わないと、恐ろしいことが起きるという不安から、どんなときも同じ方法で仕事や家事をしなくてはならない。
・加害恐怖
誰かに危害を加えたかもしれないという不安がこころを離れず、新聞やテレビに事件・事故として出ていないか確認したり、警察や周囲の人に確認する。
・数字へのこだわり
不吉な数字・幸運な数字に、縁起をかつぐというレベルを超えてこだわる。
・物の位置、対称性へのこだわり
不吉な数字・幸運な数字に、縁起をかつぐというレベルを超えてこだわる。
(※すべての治療が当院で実施できるわけではありません。まずは受診の上ご相談ください)
認知行動療法は、強迫性障害の原因となっている考え方の癖を少しずつ修正し、日常生活に支障をきたさないように訓練をしていく方法です。最もよく用いられるのは暴露反応妨害法です。具体的には「不安階層表」という表を作った上で、本人にとって不安が軽い刺激から段階的に暴露していき、強迫行為を行わないように我慢していきます。例えば、汚染恐怖のある方であれば「汚染している」という強迫観念に打ち克って、「自室のドアノブを触った後、手を洗わないように我慢する」などの心理的ハードルの低い課題から馴れていき、徐々に「電車のつり革を触り、手を洗わないように我慢する」などと心理的ハードルの高い課題に取り組んでいきます。このような課題を続けることで、感じる不安の強さが少しずつ弱くなり、強迫観念も弱まっていきます。暴露反応妨害法は、このようにとても苦痛を伴う治療であり、何らかの理由で取り組むことが難しい場合は、思考中断法という手法を用いることもあります。強迫観念が頭の中に出てきたらすぐに思考を中断する練習をしていき、最終的には思い浮かぶ前に排除できるようにするという手法です。
薬物治療の第一選択はSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)という抗うつ薬として使われる薬です。SSRIは即効性に欠け、有効用量を飲み始めてから効果が出てくるまでに最短でも2週間から3週間、最長で8週間を要します。それを聞くと即効性のある抗不安薬の方が優れているように思われるかもしれませんが、SSRIは効き始めると十分に効果が持続し、依存性も低いため第一選択として推奨されています。少なくとも1年間かそれ以上は治療を継続すべきだとされています。SSRIの副作用として最も多いのは吐き気、下痢などの消化器症状になります。通常はうつ病よりも効果の発現に時間がかかり、10〜12週かかります。
治療を2年間継続した患者の再燃率は、治療を中止した患者の半分以下(25-40% vs 80%)です。少なくとも1年間は治療を続けるべきとされています。
低用量のSSRIに、抗精神病薬を用いると増強療法として最も効果があります。SSRIにミルタザピン(商品名リフレックス)、ラモトリギン(商品名ラミクタール)、トピラマート(商品名トピナ)も増強療法として有効と言われています。
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