大阪市阿倍野区の心療内科・精神科・児童精神科

あべのこころの診療所

〒545-0052 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋5丁目2-9 ラグランデル1階
谷町線阿倍野駅5番出口徒歩4分、大阪シティバス阿倍野筋5丁目徒歩2分

  日祝
9:00~12:00
13:00~16:00

お気軽にお問合せ・ご相談ください

06-6629-0345

うつ病の症状

眠れない、気持ちが落ち込む、食欲がない、何をしても楽しめない、などが続いている場合、うつ病の可能性があります。
うつ病はストレスが重なるなど、さまざまな理由から身体の持つ自然治癒力を超えた結果、心の機能障害が起きている状態といえます。ものの見方やや考え方も悲観的になり自分がダメな人間と感じてしまい、普段なら乗り越えられるストレスもよりつらく感じ、よけいに焦ってしまう悪循環におちいることもあります。
早めに治療を受けるほど回復が早いといわれておりますので、無理をせず、早めに医療機関に相談し、ゆっくりと療養に専念することも大切です。

うつ病の要因

うつ病の発症には以下の3つの要因が関与しています。

(1)不安・焦り、緊張感が強い。冷や汗が出る。落ち着かない。ゆっくり取り組めない。パニック。
うつ(電池切れ)を気力だけで跳ね返している状態です。過剰なアドレナリンの分泌が関与しています。

(2)睡眠不足で、朝、起きられない。電池切れ。ぐったり、身体が動かない。頭も回らない。
過労・不眠等で、生命エネルギーが枯渇している電池切れ状態で、うつの中核症状です。

(3)ぐるぐる、くよくよと同じことばかり考える。気持ちが滅入って、落ち込んでいく。
悩みすぎ(心労)によるうつ症状です。考え方のクセを修正していくことが有効です。

うつ病の治療は、休養をとる、薬物療法、精神療法の3つの方法が中心です。しっかりと休養を取ることに加えて、症状を改善する薬を使うことで、うつ状態が改善していきます。

うつ病の診断

憂うつで気持ちが落ち込んだり、やる気がなくなったり、悲しい、希望が持てないといった感情は抑うつ気分と言います。涙もろくなり、傍から見て暗く沈んだ表情や力のない口調なども特徴的です。

家族や友人など親しい人の死や病気など、悲しい出来事はもちろんのこと、場合によっては、昇進や結婚、子供の独立など喜ばしい人生の転機も、環境の変化がストレスとなって抑うつ気分を引き起こすことがあります。

それでは、気分の落ち込みがあれば「うつ病」なのでしょうか?

うつ病の診断は、DSM-5と呼ばれる米国精神医学会の診断基準に基づいて判断されることが一般的です。それでは、まず診断基準を見てみましょう。

うつ病の診断基準について

以下の症状のうち、少なくとも1つある。

1.抑うつ気分
2.興味または喜びの喪失
さらに以下の症状をあわせて、合計5つ以上を認める。
3.食欲の減退または増加、体重減少または増加
4.不眠、または過眠
5.精神運動の焦燥または制止
6.疲労感、または気力の減退
7.無価値感または過剰・不適切な罪責感
8.思考力や集中力の減退、または決断困難
9.死についての反復思考、自殺念慮、自殺企図

上記症状がほとんど1日中、ほとんど毎日、2週間にわたって存在する。症状のために著しい苦痛または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能障害を引き起こしている。これらの症状は身体疾患や物質依存では説明できない。

うつ病と診断する上で重要な点は、次の3つです。

第1に症状が重いこと。抑うつ気分が一日中続き、気分だけでなく体の不調を伴います。
第2に期間が長いこと。2週間以上にわたって抑うつ気分が続きます。
第3に社会的問題を伴うこと。症状のため学業や仕事に支障が生じます。

うつ症状が重くなっていく過程について詳しく説明します。 最初は、気持ちの焦りが続き、日中も落ち着きなく、そわそわ動くことが止められなくなります。睡眠リズムが乱れることも多く、布団に入っても何時間も寝付くことが出来なくなり、寝てもすぐに起きてしまう症状が起こります。朝早くから目が覚めて、再び寝られなくなる症状も特徴的です。

焦って頭ばかり興奮し、同じことをグルグル考えて、睡眠が取れない状況が続くにつれて、脳機能が低下します。頭が回りにくくなった、考えがまとまらない、決められない、本を読んでも文字が頭に入りづらいなどの症状を自覚するようになります。認知症になったのではないかと感じたりします。 脳疲労が蓄積するに伴って、次第に何をするのも億劫に感じ、疲れやすいと感じるようになります。周りからみても動きが減り、会話も少なくなります(制止症状と言います)。

症状が重くなると、話すことも出来ず、寝たきりになる場合もあります。当初は、焦った気持ちを落ち着かせるために過食になりますが、症状が進むと、おいしいものを食べたいという気持ちがなくなり、食べてもおいしいと感じられず、食欲の低下から体重が減少することもあります。 抑うつ気分が続くと、自信が持てず、自己評価も低下しがちです。

自分は役に立たない人間だ、皆に申し訳ないという気持ちが起こり、自分を責めがちになります。自責感が強くなると、消えてなくなりたいなど自殺念慮が起こることもあります。うつ病と診断する上で、これらの症状が2週間以上続いていることが必要です。

うつ病の治療

うつ病治療の3本柱は、①環境調整、②休養、③薬物療法です。それぞれにポイントがあります。

環境調整

環境調整といっても、その要は家族や職場の方々、つまり人間です。そのため、周囲の方が患者さんにどう接するかということと切り離せません。患者さんの訴え、特に悲観的な言動や、時にいらいらした態度にどう応えればよいのでしょうか。私は、まず周囲の方が力を抜くことが大切だと思います。うつ病について熱心に知識を集めるの大切なことですが、「励ましてはいけない」とか、そういうお題目だけに縛られてしまうと力が入りすぎで、不自然になってしまいます。うつ病という病気であること、休養が大切であること、回復には時間がかかること、一進一退のような波があること、誰よりも不安なのは患者さん本人であること、これらを頭に入れて、普通の病気の人に対するのと同じように接してください。すると、自然と、休養が必要な人に「がんばれ」とは言えなくなるでしょう。

環境調整のポイントを挙げると、「環境を変えるときには、時間をかける。段階的に行うということです。うつ病の患者さんは環境の変化に適応することが苦手です。発病時の部署が忙しいからといって、復職時に安易に異動を行うことは勧められません。特別な理由がなければ、一旦元の職場に戻し、業務負担を軽減して、時期を見て異動とした方がよいでしょう。「不調になった時の部署に来る前に、何年かやっていた部署なら本人も慣れているはずだ」と考えやすいのですが、現代の変化の激しい状況では、仕事の内容ややり方が以前とは変わっている場合も多く、「前にできた所でもできないなんて、やっぱり俺はだめだ・・・」などと思い込ませる結果にもなりかねません。 休んでいた生活から、出勤する生活への変化自体にエネルギーをとられるので、当初、業務にかけられるエネルギーは健康なときの5割程度と考えるべきです。もちろん出勤する生活に慣れてくれば、徐々に業務にかけられるエネルギーを増やしていけるでしょう。こういったことから、初めの2週間は半日出勤からはじめるなどの段階的復帰が望ましいわけです。ご本人にも事前に十分こうしたことを説明しておくことが大切です。

休養

うつ病について書かれた本を見ると、よく「なにもしないこと」と書いてあります。本当でしょうか?確かに、急性期(症状が激しく、また、短期間に変化しやすい時期)は「なにもしない」が正解です。「規則正しい生活」も後回しで、とにかく休むことです。うつ病の患者さんは休むことに罪悪感を覚えることがあるので「休むことが仕事です」とよく言われております。しかし、少し症状が和らいでくると「なにもしない」はかえって辛くなるようです。この時期をどう過ごすとよいのでしょうか?

私は①生活リズムの回復、②自分の感覚を大切にする、をお勧めしています。生活リズムが昼夜逆転などしてしまうと、回復にも遅れが出ますし、復職の際に苦労することになりかねません。生活リズムの回復のためには、まず、朝一定の時間に起きること。体内時計を調節しているメラトニンは起床時間によって分泌がコントロールされるので、ちゃんと朝起きないと夜に体が眠りに入る状態になれません。午前中に明るい光を浴びることも重要です。起きたら、洗面や歯磨きをして、窓際などで過ごすとよいでしょう。そして、3食とること。ただし、食欲が十分に回復していなければ、無理に「ちゃんとした食事」を採ることはありません。好きなもの、食べやすいものを少しでもおなかに入れる感じでよいのです。一日3回朝昼晩におなかに入れることが重要です。
自分の感覚を大切にするというのは、少し回復してきたときに「義務感に近い」形でいろいろなことに取り組むのは控えたほうがいいということです。『今日は、ちょっと歩けそうだ、歩いてみようかな』、と思えればやってみてください。逆に、『~しなければいけない』、と考えてやるのはうつ病を悪くする可能性があります。病み上がりは、まだまだ疲れやすいですから、疲れを感じたら休むようにしてください。

薬物療法

抗うつ薬について大切なことは、十分量を十分な期間使う事です。1つの抗うつ薬を使ってみた時、2週間以内に反応が見られる人も確かにいますが、もっと時間がかる人もいます。この場合、副作用チェックしながら増量していくのが正しいのですが、「よくならないから」と別の抗うつ薬を加えたり、薬を変更してしまったりする事があるのです。

この結果、十分量の薬が十分な期間使われず、治療が失敗に終わり、うつが遷延してしまう事があります。また、同時に何種類も薬を使ってしまうと、どの薬が本当に聞いたのかわからなくなりますし、副作用が出たときも原因薬剤を特定しにくくなり困ります。当院では処方する場合にはガイドラインに則ってご提案させていただきます。

お気軽にお問合せ・ご相談ください

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
06-6629-0345
受付時間
9:00~12:00/13:00~16:00
定休日
火曜の午後・日曜・祝日

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・ご予約

06-6629-0345

<受付時間>
9:00~12:00/13:00~16:00
※火曜・日曜・祝日は除く

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

2025/05/01
2025年5月現在、初診の患者様のご予約が取りにくい状態がつづいており申し訳ありません。WEB予約は随時更新されますので、ご確認いただけますと幸いです。
2025/02/20
2025年4月以降、火曜日は午前午後とも休診日となります。ご不便をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。
2024/11/11
医療DX推進体制整備加算について
オンライン資格確認システムを通じて、患者様の診療情報、薬剤情報等を取得し、調剤、服薬指導を行う際、当該情報を閲覧し活用しています。マイナンバーカードの健康保険証利用を促進し、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるように取り組んでいます。電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスを活用する取り組みも今後実施予定です。

あべのこころの診療所

住所

〒545-0052 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋5丁目2-9 ラグランデル1階

アクセス

谷町線阿倍野駅5番出口徒歩4分、大阪シティバス阿倍野筋5丁目徒歩2分
(駐車場:近隣のコインパーキングをご利用ください)

受付時間

9:00~12:00/13:00~16:00

定休日

火曜・日曜・祝日